丸山 富之
Japanese / English

撮影 : 山本 糾


丸山 富之

小さな丸い彫刻について

石を材料にしてひとつの求心的なかたまりの彫刻をつくろうとする。
私の体はいつも石の外にあって、石に向かって垂直にノミを立てる。石は私の与えた力と同じだけの力をその中心から外に向かって発する。私のノミの力が必ず石の中心に向かうとすると、だんだんと石は角がとれて丸くなってくる。
私の与えるノミの力と石が返す石の力とが完全に均衡を保ち、私が押し込んだり石が押し戻したりを繰り返すならば、石は石自らが自らを彫刻しているということになる。
私はいつもかたまりの外にいる。

大きな空間の彫刻について

石を材料にして空間の彫刻をつくろうとする。
私は石のこちら側に位置していて、こちら側から向こう側に向かって石を彫り進める。私のノミの力は石の側へではなくこちら側にむかっており、私は石を彫っているのではなく空間を彫っている。
石は少しずつその量を減らしながら自分の抱える空間を増やしていくので、私が石を彫れば彫るほど作品は大きくなっていく。私はついに石の裏側が感じられるくらいにまで彫り進む。そうするとノミはだんだんと横に寝てきて、私の力は石の表面を横に伝わってゆく。私は石の表面を這いずり回る。
私は大きなかたまりの内に包まれている。

文武学校と私の彫刻について

文武学校には、過去から現在につながる縦の時間と、いま存在している横の空間がある。この文武学校の畳の部屋に私の彫刻を置くことにより、縦の時間と横の空間が、見る人の眼によりよく見えることを。

1956年 長野県に生まれる
1984年 東京芸術大学彫刻科卒業
1986年 東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了

[ 主な個展 ]

1986年 ギャラリー葉/東京
1987年 ときわ画廊/東京(以後89年、91年、94年、96年)
1989年 ギャラリーなつか/東京(以後97年)
1993年 なびす画廊/東京
1996年 ヒノギャラリー/東京(以後99年、01年、04年、06年、07年)
2003年 夷隅田園の美術館/千葉
2006年 gallery shilla/韓国

[ 主なグループ展 ]

1993年 「<かたまり彫刻>とは何か」 小原流会館/東京
1994年 「<彫刻>展」 代々木アートギャラリー/東京
1996年 「匍匐は跳躍」 なびす画廊/東京
1999年 「花蓮国際石材彫刻展」 花蓮縣立文化中心/台湾
2000年 「春のおくりもの」 なびす画廊/東京
2002年 「東日本ー彫刻」 東京ステーションギャラリー/東京「かたちの所以」佐倉市立美術館/千葉
2003年 「第5回 雨引きの里と彫刻」/茨城
2003年 「表象都市metamorphosis広島ー芸術実験展プロジェクト2003」旧日本銀行広島支店/広島
2004年 「第1回 中国国際画廊博覧会」 中国国際科学技術博覧会センター/北京
2005年 「sarayiar symposium」 /トルコ 「石の思考」 東京芸術大学美術館陳列館/東京
2006年 「singular stones 2006」 ギャラリーせいほう/東京



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